感想・印象など
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「獅子宿」から戻って来ると「はいおい(蝿追)」が塩を撒き舞庭を清める。この後行われる真剣を使った「白刃」の安全を祈願するためである。先にも書いたが、ここの獅子舞では「白刃」の中で行われる「三番叟」が一番の見所とのこと。「三番叟」は能や歌舞伎の翁の舞のひとつで動きが他の獅子舞にはないものである。普通は「白刃」もしくは「太刀掛り」といえば2匹の雄獅子が刀(真剣または模造刀)を咥えて行うのだが、ここではさらにその後に女獅子が真剣2本を雄獅子から取り上げて勇壮かつ優雅に独特の足運びで舞いながら紙で作った「たてがみ」を切り落としたりする。ここでは雄獅子たちが主役ではなく女獅子が完全に主役の座を奪い取る。争いばかりを繰り返す雄獅子たちに嫌気が差して、このまま争いを続けるなら「女の命」の髪(獅子なのでたてがみ)を剃り落とし「尼寺に行ってしまうぞ」というパフォーマンスだという説明だった。 |